2016年07月10日
ヤマノススメ聖地巡礼 in 武甲山
2016年7月2日(土)は、日本二百名山の一つ、埼玉県の武甲山(1,304m)に登って来ました。
一の鳥居(生川基点)→不動滝→大杉→武甲山→シラジクボ→持山寺跡→一の鳥居(生川基点)→横瀬駅のルートで、総行程13.5km、最大高低差約1054m(武甲山-横瀬駅)、8時間58分の旅でした。
今回もヤマノススメの聖地巡礼ではなく単なる登山として登ったのですが、原作の最新話を読んだら 武甲山に登る話なので、思いがけず「聖地巡礼」になりました。
ってか、相変わらずミリタリーと関係無い話題ですみません。(笑)
今回は私を含めて3人で登りました。
池袋駅で待ち合わせして、7時5分の西武線快速急行三峰口、長瀞行で西武秩父駅に行き、そこからタクシーで武甲山の登山口である一の鳥居に向かう予定でしたが・・・。
御花畑駅(8:58)
西武秩父駅に向かう予定が、誤って長瀞行きの車両に乗っていたので西武秩父駅をスルーして御花畑駅に来てしまいました。orz
飯能でスイッチバックするので乗っている車両の前後を勘違いしていたという・・・。
秩父鉄道はSuicaとかPASMO等に対応していないので、証明書を発行して貰って精算します。
後でICカードが使える横瀬駅で証明書を渡して手続きして貰いました。
この辺りはあの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。の聖地なので、市内商店街で買い物を促すめんまちゃんのポスターが掲示されています。
気を取り直して西武秩父駅に向かいます。
西武秩父駅(タクシーの後部ガラスより)
御花畑駅から西武秩父駅へは歩いてほんの数分です。
ここから武甲山の登山口である一の鳥居に向かいました。
一つ手前の横瀬駅から乗っても良いのですが、そちらは駅の規模が小さいので、確実性を取って西武秩父駅でタクシーを拾う事にしました。
一の鳥居(9:23)
西武秩父駅から大体タクシーで20分位で着きます。
途中で横瀬駅を通過しますが、駅前にタクシーが結構居ましたんで、横瀬駅からタクシー拾っても良かったかもしれません。
タクシーの運転手さんが気さくな方で、途中で通る石灰工場地帯の解説とかをしてくれて為になりました。
横瀬駅から徒歩で歩っているうちに力尽きた人に呼ばれた事が何度もあるそうで、この時はあそこからここまで歩いてくるのは大変そうだなーとか思っていましたが、帰りには我々もこの道を歩く事になるとは・・・。
鳥居の先は駐車場になっていますが満車状態でした。
ここには一応簡易トイレが二つ設置されています。
携帯電話の電波状況は悪いです。
この辺りで標高は約520mで頂上との差は約784mです。
武甲山登山道の案内板
熊が出るらしく、表参道でも目撃されているそうですが、最近見たアニメ「くまみこ」の影響で「ナツが出る。」等とアホな事をほざいておりました。
危機感ないなお前ら。(笑)
しかもここで橋立林道通行止の掲示を見落としていたという・・・。(見落としていたというか、林道なので自分等の向かうルートとは無関係と思い込んでいた。)
準備体操をして装備を調えて登山届けを書いて9時45分頃に出立しました。
一の鳥居を出発して直ぐの所で養蜂がされていました。
水場があったので帽子とネッククーラーを濡らしておきました。
この日は曇りでしたが、気温が高く、更に蒸し蒸しする天候でしたので、熱中症にならない様に注意しました。
秩父イワナの飼育場
更に進むと秩父イワナの飼育場に差し掛かります。
池の中に沢山のイワナが泳いでいました。
持山寺跡への分岐(10:14)
我々はまっすぐの表参道を通って山頂を目指しましたが、左へ曲がって鉄の橋を渡ると持山寺跡やシラジクボへ続いています。
山と高原地図ではバリエーションルートとされています。
全く行く気はありませんでしたが、「こっちに行くと寺跡があるらしいんで行って見ようぜ。」とか冗談で言っていましたら、後で本当にこの道を通って帰って来ることになりました・・・。
呼ばれたかも・・・。
歩いてきた舗装された道が左に続いていきますが、ここは直進します。
舗装された道を行くと持山寺跡の方に続いている様です。
ちょっとした橋を渡ります。
更に進むとまた遠くに橋が見えて来ます。
不動滝(10:31)
沢山ペットボトルが置いてある水場に差し掛かります。
かなり上の方から水が流れてきます。
沢山水の入ったペットボトルが置いてあり、トイレの水に使うので、余力のある人はこのペットボトルを頂上まで運んで欲しいそうです。
鍋割山とかと同じシステムですね。(あちらは飲料水でしたが)
及ばずながら、私も小さめなペットボトルを1本運ばせて貰いました。
中には数本も持たれていく強者な方もいらっしゃいました。
折角なのでまた帽子とネッククーラーを濡らしておきます。
ここの水は飲めるっぽいですね。(自己責任でお願いします。)
祠があるのでお参りしていきました。
ここいら辺は十八丁目だそうで。
頂上までの各所に、一の鳥居を一丁目、頂上の御嶽神社を五十二丁目とした丁目石が設置されていて、大体どれ位の高さかの目安になります。
先ほど下から見えた橋を渡っていきます。
二十丁目付近に「武甲山御嶽神社」の石柱が立っています。
小さな祠の脇を通過します。
ご神木でしょうか?
中に小さなお地蔵さんが置かれていました。
最初、この木が大杉かと思いましたが、大杉はもう少し進んだ所にありました。
大杉(11:32)
樹齢700年といわれる巨木がそびえ立っています。
この周囲は広場になっていて、10名程度の方が休憩されていました。
三十五丁目には謎のお地蔵様がいらっしゃいました。
お顔が手描きっぽいです。
謎の祠に宇宙人的な何かが置かれていました。
山頂が近くなると大分開けてきて休憩してる方が多くいらっしゃいました。
シラジクボ・小持山・大持山・浦山口登山道との合流点
橋立林道が通行止めとの掲示がされています。
頂上に行った後は浦山口駅に向かう予定でしたが、ここに来て始めて我々が想定していた下山路が橋立林道という名前で、そこが通行止めな事に気がつきました。(^^;)
トイレ
このトイレに使う水を不動滝から運んできた訳です。
トイレの水は更に高い所に届けます。
付近には避難小屋もあります。
武甲山御嶽神社
この辺りが五十二丁目です。
今日の登山の無事を祈願させて頂きました。
ここまで来たら山頂はもう目と鼻の先です。
トイレの水を入れる穴
不動滝から持って来たペットボトルの水を注ぎます。
表参道コースから下山する人は空のペットボトルを不動滝まで戻しますが、我々は浦山口に向かう(実際には通行止めでシラジクボ経由で一の鳥居に戻った。)のでペットボトルは持ちませんでした。
鐘楼
勝手に鳴らして良かったのか解りませんけど、皆さん叩いて鳴らしている様でした。
かなり音が響きますね。
白鳥神剣神社
山頂のすぐ手前にあります。
摂末社でしょうか?
いよいよ頂上手前です。
第一展望台と第二展望台があり、もうちょっとだけ先の第一展望台が頂上です。
まずは第二展望台に行ってみました。
第二展望台
ここは狭くて人が3人位しか居られません。
先客がいましたのであまり長居できませんでした。
眺望もあまりよくありません。
そしていよいよ頂上です!
武甲山山頂(12:51)
第一展望台、ここが武甲山の山頂です。
標高は1,304mになります。
とりあえず三角点があったのでタッチ!・・・と思ったら、これは三角点ではない様です。
三角点は第一展望台(山頂)と第二展望台の分岐のちょっと下辺りにひっそりと設置されています。
展望台はあまり広くないので人口密度は高めです。
人が多すぎて休憩するスペースがありませんので、我々は少し下がった神社周辺の開けた場所で休息しました。
方位盤は大体どこの頂上にもありますね。
残念ながらこの日は曇りでしたので、眺望はあまりよくありませんでした。
晴れていれば秩父市街や石灰の採掘場が一望出来るのですが・・・。
一通り頂上を満喫した後、少し降りて休憩することにしましたが、iPhoneの三角点を探すアプリで、頂上に三角点が無い事に気づき、しばらく三角点を探してみました。
三角点
武甲山の三角点は頂上ではなくて、山頂と第二展望台の分岐のちょっと下辺りにひっそりと設置されていました。
この三角点は1295.4mだそうです。
目立たない場所にあるので探しにくかったですが、iPhoneの三角点マップというアプリを頼りに発見しました。
折角なのでタッチです。
頂上付近は人でごった返していましたので、神社の下辺りの開けた場所で昼食にしました。
相変わらずナチスドイツ軍飯盒とかだし。(笑)
昼食休憩の後、14時30分頃に下山を開始しました。
シラジクボ・小持山・大持山・浦山口登山道との合流点
当初、長者屋敷ノ頭を通って浦山口駅に向かうルートで下山する予定でしが、この先が通行止めとの事なのでピストンで帰る事にしようかと思いましたが、このルートから登って来た人への聞き込みで、浦山口方面には行けないがシラジクボ、小持山、大持山方面は通行止めでは無い事が解ったので、シラジクボから持山寺跡方面を通って下山する事にしました。
それほど重大な計画変更ではありませんが、登山にはこういう予期せぬ事態もあるのだという事が経験できました。
シラジクボ・小持山・大持山方向と浦山口方向への分岐
橋立林道が通行止めで通れない為、浦山口方向には立ち入り禁止のテープが貼られています。
我々はシラジクボを目指します。
発破の注意を促す看板
武甲山は石灰の採掘工場があるので、時折発破が行われます。
この日も登山時に発破の爆音が聞こえてきました。
シラジクボに至る道はそれほど険しくはありませんでした。
道を歩いていたら、30cmはありそうな巨大ミミズが居ました。
あまりの巨大さにビックリ仰天です。
登山道に居ると踏みつぶされそうなので、側の藪に戻しておきました。
シラジクボ(15:03)
ここは標高1088mです。
ここで直進せずに左の持山寺方面に向かいます。
三叉路と思いきや、長者屋敷ノ頭からのバリエーションルートもここに繋がるらしく、厳密には四叉路の様です。
ここから持山寺方面の道に入ります。
入口からしていきなり道が悪くなるので不安にさせられます。(^^;)
表参道に比べると道はあまり広くはないです。
中には岩で塞がれていて狭くなっている所等もあります。
途中で表参道から延びている車が通れる林道風の道と合流します。
持山寺跡に向かう為、車が通れる林道風の道からの分岐に入ります。
地図上では途中に持山寺跡があるのかと思っていましたが、実際には分岐で別れてほんのちょっとだけ進んだ所にあります。
迷いやすい道を想像していましが、虎ロープが貼ってあるので迷う事はありません。
途中に謎の石碑が建っていました。
持山寺跡(15:32)
主な登山ルートからは外れているので私達以外は人っ子一人居ません。
寂しげというか、霊的な何かを感じます。
パワースポットという奴でしょうか?
この寺跡は松平長七郎伝説が残されているそうです。
何気に案内板に書いてある事が恐いんですケド・・・。 クビチョンパ ((( ;゚Д゚))) カキットカキット
実はこの付近から妻坂峠まで続く廃道が延びているらしいのですが、現在の登山地図には載っていないのでどこがその入口かは解りませんでした。
他の方のブログによりますと、途中に奇麗な水場があるらしいです。
パワースポット見学(謎)を終えて、再び帰路に付きます。
再び林道風の道と合流します。
しばらく歩いてこの地点から右の道に入ります。
ここから先は山と高原地図では難路とされているのでちょっと緊張しました。
ちなみにまっすぐ歩いても表参道と合流するので、あえて難路に入る必要は無かったかも知れませんが、折角なのでバリエーションルートも経験しておきました。
やはりあまり整備されてないので少々歩きにくい道ではありました。
この中途半端に残された石に足を取られがちです。
虎ロープとかはないのですが、一応木に青い印が付いているので昼間なら迷う事は無さそうです。
ただ、夜間だったら解りにくいかも知れません。
謎の大岩
細い木でつっかえ棒されてますが、落ちてきそうで恐かったです。(^^;)
表参道の分岐点(16:06)
鉄の橋を渡り、漸く表参道の分岐に辿り着きました。
往路で冗談で「こっちに行くと寺跡があるらしいんで行って見ようぜ。」とか言っていたら、本当にこの道を通って帰って来ることになるとは・・・。
呼ばれましたねこれは・・・。(^^;)
ここまで来ればあとは表参道を下るだけです。
またイワナの飼育場が見えて来ました。
一の鳥居(16:30)
やっとこさスタート地点の一の鳥居に戻って来ました。
ゴールです!・・・とこの時は思っていました。(笑)
朝、あれだけ停めてあった自動車も殆ど停めてありません。
当初、浦山口駅に向かう予定でしたので、帰りのタクシーの事を考えていませんでした。
仕方がないので、タクシー会社に連絡しようと思いましたが、ここは電波状況が悪くてインターネットも電話も通じません。orz
どうしようかとあぐねておりましたら、すぐ側の斜面に謎の看板が!
何ですかねあの看板は?
斜面を登って近づいてみます。
「ここでドコモ au 通話できます。」
謎の看板に近づくと、本当にiPhone(docomo)が通話出来るようになりました。
誰が発見して誰がこの看板を設置したんだか。(笑)
しかし、電波状況はそれほど良くなく、インターネットの通信は激遅でタクシー会社を調べる事は出来ませんでした。orz
仕方がないので、横瀬駅まで1時間半程度という事も有り、そのまま徒歩で向かう事にしました。
30分程休憩して、朝タクシーで来た道をそのまま横瀬駅方面に向かって歩き出しました。
今思えば、横瀬駅まで歩かずとも電波状況が良い場所まで下りてタクシーを呼べば良かったんですけど、工場地帯に見とれてそのまま駅まで歩いてしまったという。(^^;)
鳥居をくぐって延長戦開始です。
朝は気にしていませんでしたが、鳥居のすぐ外が一丁目なのですね。
仮設トイレも鳥居の直ぐ外にありましたが、蜂が出て恐かったです。
車道は歩きやすいのですが足に来ますね。
段々と工場地帯が見えて来ます。
武甲山は石灰岩の採掘が盛んで、この辺りには関連の工場が集中しています。
もうこの辺りなら携帯電話が使えたと思うのですが、工場地帯のカッコ良さに見とれて歩き通してしまいました。(^^;)
立ちこめる蒸気!舞い散る粉塵!ガタガタと響く機械の音!
素人な私達でも心踊りますので、工場マニアの人にはたまらない風景だと思いますよ。
道の直ぐ脇に台貫場(トラックスケール)があって、大型ダンプカーが測定されていました。
胃色々なメカが見れて楽しいですが、工場地帯は大型車両が頻繁に行き来しているので歩行者はちょっと恐いです。
巨大なサイロの脇を通ります。
このベルトコンベアは武甲鉱業Yルートという地中式の長距離ベルトコンベヤで、なんと総延長23.4kmもあり、日高市まで繋がっているそうです。
右を向いても左を向いても後ろを向いても上を見上げてもメカメカしい物ばかりですね。
秘密基地というか秘密工場といか、なんかサイバーパンクな感じがしてカッコイイです。
工場マニアの方はもちろんの事、そうじゃない人にもお勧めのスポットですね。
思い掛けず歩く事になって良かったです。
工場地帯を抜けた辺りから武甲山を望む
工場地帯を抜けて武甲山を振り返ると、大分採掘が進んでいて山の形が変わっているの解ります。
朝、この場所をタクシーで通った時は曇っていて見えませんでしたが、この時間は大分晴れてきていたのでよく見えました。
西武秩父線の線路に差し掛かり、その脇を併走して横瀬駅に向かいます。
頭上を三菱マテリアルのベルトコンベアが跨いでいます。
横瀬駅はもうすぐです。
横瀬駅の周辺は心が叫びたがってるんだ。の聖地でもあるので、いつか巡礼してみたいですね。
横瀬駅(18:43)
漸くゴールです!
総行程13.5km、8時間58分の旅でした。
この辺りは標高約250mなので、大体武甲山頂上から1054m下った事になります。
この日は蒸し暑く、汗でびちょびちょだったので、例の如く近くの温泉施設武甲温泉に向かう事にしました。
駅から無料バスガ出ていますが、どうもこの日は「寺坂棚田ホタルかがり火まつり2016」というお祭りが開催されており、バスは満員状態でした。
秩父湯元武甲温泉(17:02)
横瀬駅から歩いても行ける距離にありますが、丁度無料バスが来たのでそれで向かいました。
疲れてくたくたでしたのでとても癒されました。
しかし、残念な事に時間が遅すぎて食事は出来ませんでした。
一風呂浴びた後、また無料バスで横瀬駅に向かいました。
途中でホタルかがり火まつりの会場も通ったので、ちらっとだけ祭りの様子を見ましたけど、かがり火がとても奇麗でした。
機会が有ればじっくり見たいですね。
横瀬駅(20:44)
御花畑で発光してもらった証明書の手続きをして、東京へ向かいました。
改札を入って直ぐの所に成瀬順ちゃんのポップがありました。
横瀬駅の周辺は心が叫びたがってるんだ。の聖地でもあるので、いつか巡礼してみたいですね。
そういえば、帰りがけに熊鈴(東京ベル製作所の森の鈴という鈴)の消音が効かないなぁと思っていたら、玉のワイヤーが切れてしまっていました。
登山では何回も何回も振動を与えますんで、切れてしまうのでしょうね。
登山しはじめの頃から愛用しおり、消音機能もあって重宝していたのですが残念です。
修理するか買い換えないと・・・。
池袋に着いて、食事でもしていこうかと思いましたが、終電の時間が近いのでその場で解散になりました。
今回、登山口で掲げていた落石による通行止めの道(林道)の名前を勘違いしてたので、思い掛けずルートを変更してバリエーションルートを使いましたが、登山前にもしもの時のエスケープルートを計画し忘れていたのは良い失敗経験として今後に活かそうと思います。
そういえば、登山前とと登山後に体重計ったら、夕飯食べずに帰ったのに1kg体重が増加していました。
なんで増えてるんだろうと思いましたけど、行動食もぼりぼり食べてましたし、水を5Lも飲んでるんだから増えるの当たり前ですよね。
一日おいたらちゃんと体重が減っていました。
汗でリュックとかがびしょびしょなので、装備品は殆ど丸洗いする事になりました。
やはり夏場の低山は厳しいですね。
今度はもうちょっと高い山にしてみます。
一の鳥居(生川基点)→不動滝→大杉→武甲山→シラジクボ→持山寺跡→一の鳥居(生川基点)→横瀬駅のルートで、総行程13.5km、最大高低差約1054m(武甲山-横瀬駅)、8時間58分の旅でした。
今回もヤマノススメの聖地巡礼ではなく単なる登山として登ったのですが、原作の最新話を読んだら 武甲山に登る話なので、思いがけず「聖地巡礼」になりました。
ってか、相変わらずミリタリーと関係無い話題ですみません。(笑)
今回は私を含めて3人で登りました。
池袋駅で待ち合わせして、7時5分の西武線快速急行三峰口、長瀞行で西武秩父駅に行き、そこからタクシーで武甲山の登山口である一の鳥居に向かう予定でしたが・・・。
御花畑駅(8:58)
西武秩父駅に向かう予定が、誤って長瀞行きの車両に乗っていたので西武秩父駅をスルーして御花畑駅に来てしまいました。orz
飯能でスイッチバックするので乗っている車両の前後を勘違いしていたという・・・。
秩父鉄道はSuicaとかPASMO等に対応していないので、証明書を発行して貰って精算します。
後でICカードが使える横瀬駅で証明書を渡して手続きして貰いました。
この辺りはあの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。の聖地なので、市内商店街で買い物を促すめんまちゃんのポスターが掲示されています。
気を取り直して西武秩父駅に向かいます。
西武秩父駅(タクシーの後部ガラスより)
御花畑駅から西武秩父駅へは歩いてほんの数分です。
ここから武甲山の登山口である一の鳥居に向かいました。
一つ手前の横瀬駅から乗っても良いのですが、そちらは駅の規模が小さいので、確実性を取って西武秩父駅でタクシーを拾う事にしました。
一の鳥居(9:23)
西武秩父駅から大体タクシーで20分位で着きます。
途中で横瀬駅を通過しますが、駅前にタクシーが結構居ましたんで、横瀬駅からタクシー拾っても良かったかもしれません。
タクシーの運転手さんが気さくな方で、途中で通る石灰工場地帯の解説とかをしてくれて為になりました。
横瀬駅から徒歩で歩っているうちに力尽きた人に呼ばれた事が何度もあるそうで、この時はあそこからここまで歩いてくるのは大変そうだなーとか思っていましたが、帰りには我々もこの道を歩く事になるとは・・・。
鳥居の先は駐車場になっていますが満車状態でした。
ここには一応簡易トイレが二つ設置されています。
携帯電話の電波状況は悪いです。
この辺りで標高は約520mで頂上との差は約784mです。
武甲山登山道の案内板
熊が出るらしく、表参道でも目撃されているそうですが、最近見たアニメ「くまみこ」の影響で「ナツが出る。」等とアホな事をほざいておりました。
危機感ないなお前ら。(笑)
しかもここで橋立林道通行止の掲示を見落としていたという・・・。(見落としていたというか、林道なので自分等の向かうルートとは無関係と思い込んでいた。)
準備体操をして装備を調えて登山届けを書いて9時45分頃に出立しました。
一の鳥居を出発して直ぐの所で養蜂がされていました。
水場があったので帽子とネッククーラーを濡らしておきました。
この日は曇りでしたが、気温が高く、更に蒸し蒸しする天候でしたので、熱中症にならない様に注意しました。
秩父イワナの飼育場
更に進むと秩父イワナの飼育場に差し掛かります。
池の中に沢山のイワナが泳いでいました。
持山寺跡への分岐(10:14)
我々はまっすぐの表参道を通って山頂を目指しましたが、左へ曲がって鉄の橋を渡ると持山寺跡やシラジクボへ続いています。
山と高原地図ではバリエーションルートとされています。
全く行く気はありませんでしたが、「こっちに行くと寺跡があるらしいんで行って見ようぜ。」とか冗談で言っていましたら、後で本当にこの道を通って帰って来ることになりました・・・。
呼ばれたかも・・・。
歩いてきた舗装された道が左に続いていきますが、ここは直進します。
舗装された道を行くと持山寺跡の方に続いている様です。
ちょっとした橋を渡ります。
更に進むとまた遠くに橋が見えて来ます。
不動滝(10:31)
沢山ペットボトルが置いてある水場に差し掛かります。
かなり上の方から水が流れてきます。
沢山水の入ったペットボトルが置いてあり、トイレの水に使うので、余力のある人はこのペットボトルを頂上まで運んで欲しいそうです。
鍋割山とかと同じシステムですね。(あちらは飲料水でしたが)
及ばずながら、私も小さめなペットボトルを1本運ばせて貰いました。
中には数本も持たれていく強者な方もいらっしゃいました。
折角なのでまた帽子とネッククーラーを濡らしておきます。
ここの水は飲めるっぽいですね。(自己責任でお願いします。)
祠があるのでお参りしていきました。
ここいら辺は十八丁目だそうで。
頂上までの各所に、一の鳥居を一丁目、頂上の御嶽神社を五十二丁目とした丁目石が設置されていて、大体どれ位の高さかの目安になります。
先ほど下から見えた橋を渡っていきます。
二十丁目付近に「武甲山御嶽神社」の石柱が立っています。
小さな祠の脇を通過します。
ご神木でしょうか?
中に小さなお地蔵さんが置かれていました。
最初、この木が大杉かと思いましたが、大杉はもう少し進んだ所にありました。
大杉(11:32)
樹齢700年といわれる巨木がそびえ立っています。
この周囲は広場になっていて、10名程度の方が休憩されていました。
三十五丁目には謎のお地蔵様がいらっしゃいました。
お顔が手描きっぽいです。
謎の祠に宇宙人的な何かが置かれていました。
山頂が近くなると大分開けてきて休憩してる方が多くいらっしゃいました。
シラジクボ・小持山・大持山・浦山口登山道との合流点
橋立林道が通行止めとの掲示がされています。
頂上に行った後は浦山口駅に向かう予定でしたが、ここに来て始めて我々が想定していた下山路が橋立林道という名前で、そこが通行止めな事に気がつきました。(^^;)
トイレ
このトイレに使う水を不動滝から運んできた訳です。
トイレの水は更に高い所に届けます。
付近には避難小屋もあります。
武甲山御嶽神社
この辺りが五十二丁目です。
今日の登山の無事を祈願させて頂きました。
ここまで来たら山頂はもう目と鼻の先です。
トイレの水を入れる穴
不動滝から持って来たペットボトルの水を注ぎます。
表参道コースから下山する人は空のペットボトルを不動滝まで戻しますが、我々は浦山口に向かう(実際には通行止めでシラジクボ経由で一の鳥居に戻った。)のでペットボトルは持ちませんでした。
鐘楼
勝手に鳴らして良かったのか解りませんけど、皆さん叩いて鳴らしている様でした。
かなり音が響きますね。
白鳥神剣神社
山頂のすぐ手前にあります。
摂末社でしょうか?
いよいよ頂上手前です。
第一展望台と第二展望台があり、もうちょっとだけ先の第一展望台が頂上です。
まずは第二展望台に行ってみました。
第二展望台
ここは狭くて人が3人位しか居られません。
先客がいましたのであまり長居できませんでした。
眺望もあまりよくありません。
そしていよいよ頂上です!
武甲山山頂(12:51)
第一展望台、ここが武甲山の山頂です。
標高は1,304mになります。
とりあえず三角点があったのでタッチ!・・・と思ったら、これは三角点ではない様です。
三角点は第一展望台(山頂)と第二展望台の分岐のちょっと下辺りにひっそりと設置されています。
展望台はあまり広くないので人口密度は高めです。
人が多すぎて休憩するスペースがありませんので、我々は少し下がった神社周辺の開けた場所で休息しました。
方位盤は大体どこの頂上にもありますね。
残念ながらこの日は曇りでしたので、眺望はあまりよくありませんでした。
晴れていれば秩父市街や石灰の採掘場が一望出来るのですが・・・。
一通り頂上を満喫した後、少し降りて休憩することにしましたが、iPhoneの三角点を探すアプリで、頂上に三角点が無い事に気づき、しばらく三角点を探してみました。
三角点
武甲山の三角点は頂上ではなくて、山頂と第二展望台の分岐のちょっと下辺りにひっそりと設置されていました。
この三角点は1295.4mだそうです。
目立たない場所にあるので探しにくかったですが、iPhoneの三角点マップというアプリを頼りに発見しました。
折角なのでタッチです。
頂上付近は人でごった返していましたので、神社の下辺りの開けた場所で昼食にしました。
相変わらずナチスドイツ軍飯盒とかだし。(笑)
昼食休憩の後、14時30分頃に下山を開始しました。
シラジクボ・小持山・大持山・浦山口登山道との合流点
当初、長者屋敷ノ頭を通って浦山口駅に向かうルートで下山する予定でしが、この先が通行止めとの事なのでピストンで帰る事にしようかと思いましたが、このルートから登って来た人への聞き込みで、浦山口方面には行けないがシラジクボ、小持山、大持山方面は通行止めでは無い事が解ったので、シラジクボから持山寺跡方面を通って下山する事にしました。
それほど重大な計画変更ではありませんが、登山にはこういう予期せぬ事態もあるのだという事が経験できました。
シラジクボ・小持山・大持山方向と浦山口方向への分岐
橋立林道が通行止めで通れない為、浦山口方向には立ち入り禁止のテープが貼られています。
我々はシラジクボを目指します。
発破の注意を促す看板
武甲山は石灰の採掘工場があるので、時折発破が行われます。
この日も登山時に発破の爆音が聞こえてきました。
シラジクボに至る道はそれほど険しくはありませんでした。
道を歩いていたら、30cmはありそうな巨大ミミズが居ました。
あまりの巨大さにビックリ仰天です。
登山道に居ると踏みつぶされそうなので、側の藪に戻しておきました。
シラジクボ(15:03)
ここは標高1088mです。
ここで直進せずに左の持山寺方面に向かいます。
三叉路と思いきや、長者屋敷ノ頭からのバリエーションルートもここに繋がるらしく、厳密には四叉路の様です。
ここから持山寺方面の道に入ります。
入口からしていきなり道が悪くなるので不安にさせられます。(^^;)
表参道に比べると道はあまり広くはないです。
中には岩で塞がれていて狭くなっている所等もあります。
途中で表参道から延びている車が通れる林道風の道と合流します。
持山寺跡に向かう為、車が通れる林道風の道からの分岐に入ります。
地図上では途中に持山寺跡があるのかと思っていましたが、実際には分岐で別れてほんのちょっとだけ進んだ所にあります。
迷いやすい道を想像していましが、虎ロープが貼ってあるので迷う事はありません。
途中に謎の石碑が建っていました。
持山寺跡(15:32)
主な登山ルートからは外れているので私達以外は人っ子一人居ません。
寂しげというか、霊的な何かを感じます。
パワースポットという奴でしょうか?
この寺跡は松平長七郎伝説が残されているそうです。
何気に案内板に書いてある事が恐いんですケド・・・。 クビチョンパ ((( ;゚Д゚))) カキットカキット
実はこの付近から妻坂峠まで続く廃道が延びているらしいのですが、現在の登山地図には載っていないのでどこがその入口かは解りませんでした。
他の方のブログによりますと、途中に奇麗な水場があるらしいです。
パワースポット見学(謎)を終えて、再び帰路に付きます。
再び林道風の道と合流します。
しばらく歩いてこの地点から右の道に入ります。
ここから先は山と高原地図では難路とされているのでちょっと緊張しました。
ちなみにまっすぐ歩いても表参道と合流するので、あえて難路に入る必要は無かったかも知れませんが、折角なのでバリエーションルートも経験しておきました。
やはりあまり整備されてないので少々歩きにくい道ではありました。
この中途半端に残された石に足を取られがちです。
虎ロープとかはないのですが、一応木に青い印が付いているので昼間なら迷う事は無さそうです。
ただ、夜間だったら解りにくいかも知れません。
謎の大岩
細い木でつっかえ棒されてますが、落ちてきそうで恐かったです。(^^;)
表参道の分岐点(16:06)
鉄の橋を渡り、漸く表参道の分岐に辿り着きました。
往路で冗談で「こっちに行くと寺跡があるらしいんで行って見ようぜ。」とか言っていたら、本当にこの道を通って帰って来ることになるとは・・・。
呼ばれましたねこれは・・・。(^^;)
ここまで来ればあとは表参道を下るだけです。
またイワナの飼育場が見えて来ました。
一の鳥居(16:30)
やっとこさスタート地点の一の鳥居に戻って来ました。
ゴールです!・・・とこの時は思っていました。(笑)
朝、あれだけ停めてあった自動車も殆ど停めてありません。
当初、浦山口駅に向かう予定でしたので、帰りのタクシーの事を考えていませんでした。
仕方がないので、タクシー会社に連絡しようと思いましたが、ここは電波状況が悪くてインターネットも電話も通じません。orz
どうしようかとあぐねておりましたら、すぐ側の斜面に謎の看板が!
何ですかねあの看板は?
斜面を登って近づいてみます。
「ここでドコモ au 通話できます。」
謎の看板に近づくと、本当にiPhone(docomo)が通話出来るようになりました。
誰が発見して誰がこの看板を設置したんだか。(笑)
しかし、電波状況はそれほど良くなく、インターネットの通信は激遅でタクシー会社を調べる事は出来ませんでした。orz
仕方がないので、横瀬駅まで1時間半程度という事も有り、そのまま徒歩で向かう事にしました。
30分程休憩して、朝タクシーで来た道をそのまま横瀬駅方面に向かって歩き出しました。
今思えば、横瀬駅まで歩かずとも電波状況が良い場所まで下りてタクシーを呼べば良かったんですけど、工場地帯に見とれてそのまま駅まで歩いてしまったという。(^^;)
鳥居をくぐって延長戦開始です。
朝は気にしていませんでしたが、鳥居のすぐ外が一丁目なのですね。
仮設トイレも鳥居の直ぐ外にありましたが、蜂が出て恐かったです。
車道は歩きやすいのですが足に来ますね。
段々と工場地帯が見えて来ます。
武甲山は石灰岩の採掘が盛んで、この辺りには関連の工場が集中しています。
もうこの辺りなら携帯電話が使えたと思うのですが、工場地帯のカッコ良さに見とれて歩き通してしまいました。(^^;)
立ちこめる蒸気!舞い散る粉塵!ガタガタと響く機械の音!
素人な私達でも心踊りますので、工場マニアの人にはたまらない風景だと思いますよ。
道の直ぐ脇に台貫場(トラックスケール)があって、大型ダンプカーが測定されていました。
胃色々なメカが見れて楽しいですが、工場地帯は大型車両が頻繁に行き来しているので歩行者はちょっと恐いです。
巨大なサイロの脇を通ります。
このベルトコンベアは武甲鉱業Yルートという地中式の長距離ベルトコンベヤで、なんと総延長23.4kmもあり、日高市まで繋がっているそうです。
右を向いても左を向いても後ろを向いても上を見上げてもメカメカしい物ばかりですね。
秘密基地というか秘密工場といか、なんかサイバーパンクな感じがしてカッコイイです。
工場マニアの方はもちろんの事、そうじゃない人にもお勧めのスポットですね。
思い掛けず歩く事になって良かったです。
工場地帯を抜けた辺りから武甲山を望む
工場地帯を抜けて武甲山を振り返ると、大分採掘が進んでいて山の形が変わっているの解ります。
朝、この場所をタクシーで通った時は曇っていて見えませんでしたが、この時間は大分晴れてきていたのでよく見えました。
西武秩父線の線路に差し掛かり、その脇を併走して横瀬駅に向かいます。
頭上を三菱マテリアルのベルトコンベアが跨いでいます。
横瀬駅はもうすぐです。
横瀬駅の周辺は心が叫びたがってるんだ。の聖地でもあるので、いつか巡礼してみたいですね。
横瀬駅(18:43)
漸くゴールです!
総行程13.5km、8時間58分の旅でした。
この辺りは標高約250mなので、大体武甲山頂上から1054m下った事になります。
この日は蒸し暑く、汗でびちょびちょだったので、例の如く近くの温泉施設武甲温泉に向かう事にしました。
駅から無料バスガ出ていますが、どうもこの日は「寺坂棚田ホタルかがり火まつり2016」というお祭りが開催されており、バスは満員状態でした。
秩父湯元武甲温泉(17:02)
横瀬駅から歩いても行ける距離にありますが、丁度無料バスが来たのでそれで向かいました。
疲れてくたくたでしたのでとても癒されました。
しかし、残念な事に時間が遅すぎて食事は出来ませんでした。
一風呂浴びた後、また無料バスで横瀬駅に向かいました。
途中でホタルかがり火まつりの会場も通ったので、ちらっとだけ祭りの様子を見ましたけど、かがり火がとても奇麗でした。
機会が有ればじっくり見たいですね。
横瀬駅(20:44)
御花畑で発光してもらった証明書の手続きをして、東京へ向かいました。
改札を入って直ぐの所に成瀬順ちゃんのポップがありました。
横瀬駅の周辺は心が叫びたがってるんだ。の聖地でもあるので、いつか巡礼してみたいですね。
そういえば、帰りがけに熊鈴(東京ベル製作所の森の鈴という鈴)の消音が効かないなぁと思っていたら、玉のワイヤーが切れてしまっていました。
登山では何回も何回も振動を与えますんで、切れてしまうのでしょうね。
登山しはじめの頃から愛用しおり、消音機能もあって重宝していたのですが残念です。
修理するか買い換えないと・・・。
池袋に着いて、食事でもしていこうかと思いましたが、終電の時間が近いのでその場で解散になりました。
今回、登山口で掲げていた落石による通行止めの道(林道)の名前を勘違いしてたので、思い掛けずルートを変更してバリエーションルートを使いましたが、登山前にもしもの時のエスケープルートを計画し忘れていたのは良い失敗経験として今後に活かそうと思います。
そういえば、登山前とと登山後に体重計ったら、夕飯食べずに帰ったのに1kg体重が増加していました。
なんで増えてるんだろうと思いましたけど、行動食もぼりぼり食べてましたし、水を5Lも飲んでるんだから増えるの当たり前ですよね。
一日おいたらちゃんと体重が減っていました。
汗でリュックとかがびしょびしょなので、装備品は殆ど丸洗いする事になりました。
やはり夏場の低山は厳しいですね。
今度はもうちょっと高い山にしてみます。